児童虐待の専門職が 心理学や統計学を語るブログ

心理学や、心理学研究における統計解析の話など

脱抑制型対人関係(交流)障害(DSM4でいう脱抑制反応性愛着障害)という児童虐待の影響

児童虐待と関りの深い、脱抑制対人関係障害(=脱抑制型対人交流障害)  
2022.6.3更新

0.事例
母によるネグレクトで一時保護中の4歳女児。
母子家庭。夜間放置が常態化しており、母は彼氏との外出を昼夜問わず繰り返し、夜の飲食店就業も継続しており、明け方に帰宅して昼に起きるような生活が本児出生前から続いていた。保育園等は通っておらず、本児は1人で過ごす時間を多く強いられる形となっていた。
本児が空腹やその他不快感等で泣いた時、身体・心理的虐待は行わないものの、無視をする・外出する等により本児の泣きに対応することはなかった。徐々に泣かなくなった本児を、周囲には「ワガママ言わないイイコ」と話していた。
本児は知的には普通域で、社会生活能力面では身体能力面が正常発達している点と比較して、身辺処理や社会対人面の得点が低く出ている。言語発達は年齢相応で、一般的な会話のやり取りは可能。職員の指示は適切に聞くことが出来、抵抗なく笑顔で接触を求めてくるなど、育てやすい児童という印象を持つ職員もいた。
本児の特徴として、誰彼構わず身体接触を求める一方で、分離時の抵抗などは一切示さないというものが挙げられている。他児とのトラブル時にも不快感等の表明が無く、自らSOSを出せない児童として見守るようになっていった。


1.脱抑制対人関係障害(=脱抑制型対人交流障害:DSED)とは何か

脱抑制対人関係障害(=脱抑制型対人交流障害)、英語表記はdisinhibited social engagement disorder(DSED)です。虐待の中で、ネグレクトを受けた児童にみられることの多い診断/状態像であります。
ちなみに、disinhibited social engagement behavior(DSEB)というものもあります。DSEDに特異的な行動を示すものになります。ちなみにDSEBは、いわゆる“不安定な愛着行動”とは異なるものであると結論づけられています(Zeanah & Gleason,2015)。
この障害、一時保護所なんかでは“誰にでも愛想がいい”という特徴のために「愛着に問題あるね~」なんて言われがちだったりします。
まだまだ全世界で研究対象とされることの少ないこの障害はどんなものなのでしょうか。

DSM-5の診断基準を抜粋すると以下のようになります。

・診断基準A :①見慣れない大人に対してもためらわず交流する②過度に馴れ馴れしい言葉遣い、身体的行動をする(年齢から逸脱するレベルでの)③不慣れな状況において、養育者が見えなくても平気④見慣れない大人についていこうとする
・診断基準B :①安心したり、愛情を持って養育者と関わることがなかった(社会的ネグレクト、または剥奪)②養育者が頻繁に変わる環境だった(例えば、里親による養育の頻繁な交代)③特定の人間と愛着を築きにくい環境にいた(例えば、子どもの数に対して職員の数が足りていない施設等) 
・上記の条件に加えて、少なくとも子どもは9ヶ月以上の年齢で、また注意欠如・多動症の衝動性(AD/HD)によるものではない

DSM-5で概念化されるまでは、反応性愛着障害の2タイプのうちの1つ、脱抑制型反応性愛着障害と言われていました。
しかし、この反応性愛着障害とは質的に異なるとして、別の診断名としてカテゴライズされたものになります。現在、先の2つの反応性愛着障害は、反応性アタッチメント障害(RAD)とDSEDとなっています。
施設入所歴のある脱抑制的症状を持つ子どもたちが、養子縁組や里親になった後も脱抑制的な行動(DSEB)を見せ続けていたことが研究で明らかになっていますが、そのような行動は、子どもたちが現在の養育者と選択的でより安全な、あるいは組織的な愛着関係を築いた後でも発生したことが報告されています(Chisholm,1998;Humphreys et al.,2017;Rutter et al.,2007)。
ということもあり、DSM-5の発表以降、抑制型は反応性愛着障害(RAD)のラベルを維持しつつ、脱抑制型は脱抑制型社会対人関係障害(DSED)のラベルに変更され、愛着の枠組みからの移行がみられています(Lyons-Ruth,2015)。
Stine Lehmann他, 2015, Reactive Attachment Disorder and Disinhibited Social Engagement Disorder in School-Aged Foster Children - A Confirmatory Approach to Dimensional Measures. を参照すると、RAD因子とDSED因子の相関が.60なので2つは近い概念である可能性が感じられますが、DSEDスケールはかなり正規分布である一方RADスケールは明確に歪んでいたことから、やはり質的に異なる概念であることが分かります。


2.DSED(+DSEB)の先行因子や原因・関連要因

DSED(+DSEB)の先行因子や原因・関連要因などはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは先行研究をまとめていこうと思います。

・虐待の無い親とDSEB
親と子どもの虐待の無い親子関係において、親の行動の質とDSEBの関連性を検討した研究はほとんどないみたいです(Lalande et al.,2012)。

・原因
古い研究では、Lyons-Ruth et al.(2009)は、子どもが生後12ヶ月のときに母親の感情的な混乱(例:混乱、怯え、奇妙な感情を示す)が、12ヶ月と18ヶ月のDSEBの予測因子であることを明らかにしたものがあるが、他研究はこの知見との不一致が多くみられる。
Lalande et al.(2012)は、約20%の子どもがネグレクトされ、10代の母親のためのグループホームで生活していた。著者らは、4ヵ月時点の母親のネグレクトと孤立(例:子どものニーズへの反応が薄い、子どもとの相互作用がほとんどない、刺激が少ない)の両方が15ヵ月時点のDSEBを予測することを明らかにした。
母親のコントロールや否定的・侵入的行動、敵対的行動は、DSEBと有意な関係を示さなかった。このことから、DSEBは感情的・行動的に距離のある母親との相互作用から生じる可能性が高いと結論づけられた(Lyons-Ruth et al.,2019 ; Lalande et al.,2012)。
虐待の無い親子であっても、子どもが母親からの孤立にさらされると、より高いレベルのDSEBが発生する可能性があるが、これら2つの研究では、身体的虐待や厳しい子育てを報告した子どもは含まれていない。
重度のネグレクトにさらされたと推定される虐待を受けた子どもや以前に施設に収容された養子は、一般集団の子どもよりも乳幼児期に不安定な無秩序の愛着を示すリスクが高い(Cyr et al, 2010; Van den Dries et al.2012)。

・DSEBと愛着の関連
関連あり:子どものDSEBと(養育の質の代理としての)養育者への愛着に関する最近のメタ分析の結果、DSEBと愛着不安(d = 0.48)または無秩序(d = 0.47)の関連は中程度に近い効果量。養育または育児過程がDSEBの発達に(ある程度)関与しているかもしれないという仮説を補強する(Zephyr et al.,2020年改訂版)。
さらに、これらの効果量の信頼区間が重なっていることから、DSEBを持つ子どもは、愛着が無秩序である可能性が同じくらい高いことが示された。
この仮説を支持するものとして、乳児期の愛着の乱れや優先的養育者による養育の質の低さ(感受性の低さ、低刺激、平坦な感情、孤立など)が、施設養育の5歳児のDSEBを予測するという結果がある(Gleason et al.,2014年)。
DSEBと無秩序型愛着はDSEBと他のタイプの不安定な愛着よりも強い関連を示すはずであると示唆した(Van IJzendoorn & Bakermans-Kranenburg,2013)。
↑の仮説を支持するように、多くの研究がDSEBと無秩序型アタッチメントの間に有意な関連を示している(Delbarre, 2017; Gleason et al.2011; Lyons-Ruth et al.2009; Minnis et al.2009; Prichett,Prichett, et al.2013; Van den Dries et al.2012 )。
安全または不安定な愛着タイプのいずれかと有意な関連性も見出している(Boris et al., 2004, Chisholm, 1998; Dobrova-Krol et al., 2010; Kocovska et al., 2012; Lalande et al., 2012; Lanctôt, 2017; O'Connor et al., 2003; Pritchett et al.,2013a, b; Rutter et al, 2007)。
関連なし:DSEBと子どもの愛着との間に有意な関連を明らかにしなかった研究もある(Bruce et al., 2009; De Schipper et al., 2012;Pears et al., 2010; Schoemaker et al., 2020; Schröder et al.,2019; Zephyr et al., 2020)。

以上関連あり・なしのケースを見ていきました。DSEBを持つ子どもは愛着が無秩序型である可能性が示されたという知見は、これまでの知見(Lyons-Ruth et al., 2009; Minnis et al., 2009; O'Connor & Zeanah, 2003など)と一致し、DSEBと愛着という異なる二つの概念は約5〜6%の共有分散を示していることから弱い関連があることが分かっています。
またAllen (2011)が示唆するように、抑制的な行動をとる子どもの社会的な問題行動は、その子どもが識別的あるいは選択的な愛着像を持っていないことが主な原因ではない可能性があります。こちらの場合はRADが該当する感じでしょうか。
ネグレクトにさらされたり、施設で育てられたりした子どもがすべてDSEBを発症するわけではないことを考えると、DSEBの潜在的な前兆は生物学的なもので、一部の子どもをネグレクトや病原性ケアの有害な影響により敏感にさせる可能性があります(Zeanah & Gleason、2015年)。
特に、DSEBの発症には遺伝的な影響が強く、男性ほど高い遺伝率を示すことを示唆する文献が増加しています(Minnis et al.、2007)。
Bruceら(2009)による別の研究では、実行機能の遺伝性の高い構成要素である抑制性制御(Friedmanら、2008)がDSEBと中程度の関連性を示し、DSEBを部分的に説明できる可能性が示唆されています。

以上を考えると、DSED/DSEBについては、愛着や養育方法との関連性がやや認められるものの、それ以外の要素の影響も大きそうだなということが言えるのかなと思いました。ただ、それ以外の要因が何なのか、ほとんど解明されていないのが現状なんですね。


3.DSEDの誤診パターンと鑑別

ADHDとの鑑別が問題にあるケースがあります。
本障害児では注意集中の困難さや多動は示さない、とあります(「標準精神医学(医学書院)」より)。重篤なネグレクトにより内的な枠が脆弱なため、一見すると多動だったり注意散漫に見えることはあります。

ASDとの鑑別が問題になるケースもあります。
こちらは、愛着や内的作業モデルの形成不全のため、共感性に課題がある場合などが考えられています。内的作業モデルは、愛着対象の内在化されたイメージが中心となり、内在化のプロセスにおいて愛着対象の感情や認知も合わせて子供の認知に組み込まれていきます。上述の内在化された愛着対象の感情や認知が、子どもの他者への共感性の基礎になると考えられています。愛着対象が内在化し、その対象像がある程度の自立性を備えることによって、ある事象を自分自身の視点のみでなく、愛着対象の視点で評価することが可能になります。内在化された愛着対象のモデルが「他の人もそうだろう」と汎化し、他者視点に立てるようになっていく。これが他者視点獲得の萌芽です。つまり、
虐待やネグレクトなどにより愛着と内的作業モデル形成不全⇒共感性の発達に不全を生じた子供が自閉症スペクトラムと誤診を受ける
という流れになります。

「DSED」によるものか、「ネグレクト(虐待)の影響」によるもの(行動様式や枠など)かは、適宜鑑別していく必要はあると思います。いやまぁ、DSEDそれ自体がネグレクトの影響ではあるので、表現が難しいところではありますが…。
ちなみに、ネグレクトが2歳以後の場合に本障害が発現するという報告は今のところないっぽいです。「愛着と愛着障害(北大路書房)」には、遅くとも3歳までに選択的愛着を形成する機会がない状態が続くと、見知らない人への警戒心を発達させるための生物学的に決定されている敏感期(あるいは臨界期)を逃してしまうかもしれません、とあります(要出典)。

DSEDが対象となった研究がまだ少なく、治療エビデンスなどの蓄積もありません。養育的治療をやり、学習的に身につけさせていく手段はまぁ良しとして、そもそも安全基地の欠如から適切な内的作業モデル構築ができず、他者への警戒心を育むことができずに定着したDSEDに対して、認知行動的な治療なんかあるんでしょうかね。
ちなみに薬物療法エビデンスもありません。
Van den Driesら(2012)の研究では、より敏感な母親を持つ養子(施設や里親から)のDSEBが減少しており、DSEBの発達と回復における親の敏感さの役割の可能性がより明確に指摘されています。
これを見るとやはり、業界用語で「育てなおし」という、要は適切な養育環境で適切な関係性や社会的枠組みを学習していくこと以外に、今のところ良さそうな方法はないのかもしれません。


4.DSED/DSEBの獲得過程

では、DSEDがどのように獲得されてしまうんでしょうか。
実はDSEDが、というのは難しいですが、ネグレクトにより愛着が適切に育まれなかったケースを想定してみようと思います。

乳児は原始的に恐怖という感情を備えています。動物全般がそうであるのと同じです。
乳児は泣きます。何かしらの不快がある際にとる行動です。泣くということは愛着行動と呼ばれ、愛着対象が抱っこなどによって不快を低減してくれた際に泣きは終息します。そして、最初は人物の弁別ができなかった乳児が、「こいつ良いやつだな」と弁別できるようになります。ボウルビーが用いた用語を使用するなら、愛着対象に対して特殊性が付与された、ということです。

脳神経学的な説明もある程度可能です。情動の調節をもとに考えてみたいと思います。
情動調節は、苦痛と快楽への反応として乳児期に始まります。6~12か月の間に前頭前野から扁桃体、海馬への神経路が発達し、馴染んだ人(本来の愛着対象)とそうでない人を区別したり、馴染みのない対象(新奇性)へ恐怖を感じるようになります。
その際、乳児がマイルドで短い恐怖のエピソードに対処すること(抱っこなどで大人が恐怖を低減してくれること)を繰り返し成功していけば、(大人による介入を通して)自己の調節は強化されていきます。
しかし、虐待等が持続⇒新奇性への恐怖を緩和調節する方法が学習困難⇒新奇性は持続的でどうにもできない存在、と誤認知する流れが形成されてしまいます。
ネグレクトの継続の場合は、そもそも本来の愛着対象の区別ができないため本来の愛着対象への特殊性が付与されないまま、新奇性への対処可能性が認められないまま(愛着対象とそうでない対象が未区別のまま)、自己の調整も強化されず成長することに繋がってしまいます。馴染んだ人が不在なので、馴染まない人への恐怖などが喚起されづらい状態ができ、DSED状態へと繋がっていく感じなんですかね。

まとめますと、①不快を感じた際に泣きという愛着行動を用いる、②愛着対象が不快を低減してくれる、③愛着対象に特殊性が付与され、他者を弁別可能になる、という流れで“特定の”対象への愛着が育まれていきます。
この、①が発生した後に②が起こらなければ③に至らず、無差別な他者への愛着行動に繋がるリスクがありますし(DSED)、(話がDSEDから反れますが)①に対して無視(ネグレクト)や攻撃(心理・身体的虐待)が予測されるまでに学習が続いてしまった際には、強化理論的に①そのものが消失し、結果的には養育者に対する一貫した抑制的で、情緒的にひきこもった行動のパターン(RADの診断基準)に繋がるリスクがあることが想定されます。


5.DSED/DSEB児童のアセスメントや対応など

ここで改めて事例を提示します。

母によるネグレクトで一時保護中の4歳女児。
母子家庭。夜間放置が常態化しており、母は彼氏との外出を昼夜問わず繰り返し、夜の飲食店就業も継続しており、明け方に帰宅して昼に起きるような生活が本児出生前から続いていた。保育園等は通っておらず、本児は1人で過ごす時間を多く強いられる形となっていた。
本児が空腹やその他不快感等で泣いた時、身体・心理的虐待は行わないものの、無視をする・外出する等により本児の泣きに対応することはなかった。徐々に泣かなくなった本児を、周囲には「ワガママ言わないイイコ」と話していた。
本児は知的には普通域で、社会生活能力面では身体能力面が正常発達している点と比較して、身辺処理や社会対人面の得点が低く出ている。言語発達は年齢相応で、一般的な会話のやり取りは可能。職員の指示は適切に聞くことが出来、抵抗なく笑顔で接触を求めてくるなど、育てやすい児童という印象を持つ職員もいた。
本児の特徴として、誰彼構わず身体接触を求める一方で、分離時の抵抗などは一切示さないというものが挙げられている。他児とのトラブル時にも不快感等の表明が無く、自らSOSを出せない児童として見守るようになっていった。

・本児の状態像のアセスメントをします。
誰彼構わず身体接触を求める一方で、分離時の抵抗などは一切示さないなど、DSEBとみられるパターンが示されています。
過程での養育状況は、“1人で過ごす時間を多く強いられ、愛着行動への情緒的対応の欠如”などが認められることから、子どものニーズへの反応が薄い、子どもとの相互作用がほとんどないといった、本児が情緒的に孤立しているネグレクト環境であったことは推測できます。
以上により、DSEDの診断基準は満たせそうだな、と考えることが出来ます。

・本児の状態像獲得の機序を考えます。
愛着対象が不快を低減してくれることで、愛着対象に特殊性が付与され、他者を弁別可能になる、という流れが経験できなかったことで、“特定の”対象への愛着が育まれることは恐らく無かったのだろうと思います。ネグレクトの継続により、本来の愛着対象への区別ができず本来の愛着対象への特殊性が付与されないまま、自己の調整も強化されず、新奇性への対処可能性が認められないまま(愛着対象とそうでない対象が未区別のまま)成長していったと考えられます。
その結果、DSED/DESBとみられる状態像が作られていったと考えることが出来ます。

・本児に将来起こりうるリスクを検討します。
年齢などについては不明ですが(すいません勉強不足なだけです)、情緒的に敏感な養育者のもとで育つことでDSEBの減少可能性はあるかもしれませんが、(要出典情報ですが)臨界期が存在するのであれば、この状態像はおおむね継続していく可能性があります。
愛着対象との区別の難しさ、無差別な接近行動などは、成長してから事件や犯罪に巻き込まれるリスクに繋がることは容易に考えられます(確かそういった報告もあった気が…)。
そういったリスクを低減していく関りとしては、やはりネグレクト環境下からの移動ないし介入による環境改善を早急に図り維持していくこと以外、今のところはないのかもしれません。


よって所見としては、以下のようなものが考えられます。
知的に普通域の4歳女児。知的能力と社会生活能力の乖離と家庭養育の状況から、本児が長期間情緒的に孤立しているネグレクト環境下で養育されてきた可能性は高い。
夜・昼間放置という物理的ネグレクトや愛着行動の無視といった情緒的ネグレクト環境の継続により、本児は本来の愛着対象への区別ができずに本来の愛着対象への特殊性が付与されないまま、自己の調整も強化されず、愛着対象とそうでない対象が未区別のまま成長していったことが推測された。
以上によりネグレクトの影響が強く認められており、現在の家庭環境においての養育は本児の福祉侵害継続に繋がるため、家庭養育を行うには物理的・情緒的双方の点にいおいてネグレクト環境の改善が必要である。


参考文献(一部)
Zephyr, L., Cyr, C., Monette, S., Langlois, V., Cyr-Desautels, L., & Archambault, M. (2021). Disinhibited social engagement behaviors in young maltreated children: dysfunctional behavior of biological parents and child attachment. Child Abuse & Neglect, 111, 104791.
Zephyr, L., Cyr, C., Monette, S., Archambault, M., Lehmann, S., & Minnis, H. (2021). Meta-Analyses of the Associations Between Disinhibited Social Engagement Behaviors and Child Attachment Insecurity or Disorganization. Research on Child and Adolescent Psychopathology, 49(7), 949-962.