児童虐待の専門職が 心理学や統計学を語るブログ

心理学や、心理学研究における統計解析の話など

反応性アタッチメント障害(Reactive Attachment Disorder:RAD)という虐待の影響

0.RADの事例
母より本児の顔を枕で押さえつける,叩く,蹴るといった身体的虐待が繰り返されて一時保護,施設入所となった1歳児童,知的には普通域で発達面に問題は無し。父は,実母へのDVに加えてギャンブルでの多額の借金を作っており,DVにより疲弊した母は仕事をしていないこともあり借金は増える一方であった。
一時保護となった本児は,表情は強張っているが,泣くことはなく,付き添いの児童相談所職員と離れるときもスムーズであった。しかし,徐々におもちゃの取り合いや養育者の取り合いで他児に暴力を振るったり怒鳴りつけたりといった行為を繰り返すようになり,注意を受けると激しく長時間泣き叫ぶかんしゃくを起こすようになった。そういった感情表出の激しさがある一方で,排泄面では不快を訴えることがなかったり,机に頭をぶつけたり他児に叩かれたり痛い思いをしても無表情でやり過ごす傾向が強いなど負の情動表出が抑制されていた。楽しい嬉しい等の表出が全くなく,感情表出は不快時の激しい行動化のみと,感情表出面のアンバランスさが目立っていった。

1.RADとは何か

RADは児童虐待界隈で働いている人はご存じの概念で,虐待を受けた児童につく診断基準として知られていると思います。愛着の傷つき,なんて言われますが,研究も進んでいて非常に複雑な知見が入り乱れる概念だなーって印象もあります。RADを児童福祉や心理系の知見だけで説明するにはかなり不足しているのですが,今回は愛着やRADをベースにした知見を元に色々と検討してみようと思います。

1-1.RADの概要
反応性愛着障害(RAD)は,幼少期の虐待やネグレクトに関連する重度の社会機能障害である(Zeanah et al., 2004)。RADの子どもは,養育者との健全な愛着を形成できず,苦悩しても慰めを求めず反応もせず,社会的・感情的な相互性を欠き,感情の調節が困難であり(Gleason et al., 2011),さらにこれらの問題は成人期を通じて持続する(van der Vegt et al., 2009)。

◆RADの疫学
施設内で育てられた幼児を対象とした研究でも,54ヶ月の子供における感情的な引きこもり/抑制型のRADの割合は,わずか4.1%であった。

◆RADの診断基準
診断基準A:成人の養育者に対して一貫して示される,抑制的で,情緒的にひきこもった行動のパターン
①子どもが苦痛を感じた際に最低限しかないし全く慰め等を求めない,②子どもが苦痛を感じた際の慰めに対してほとんどないし全く反応しない
診断基準B:持続性の社会的・情緒的混乱
①他者に対する社会的・情緒的反応が最低限しか見られない
②肯定的感情表現が抑制されている
③成人の養育者との,脅威を与えるようなものでないやり取りにおいてでさえ,説明のつかない怒りや恐怖といったネガティブな情動を示すエピソードがある
上記の条件に加えて,少なくとも子どもは9ヶ月以上の年齢で,5歳以前からその症状が出ている,また,自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準を満たさない

RADは,以前のDSMの繰り返しにおける基準(RAD-抑制型)のような社会的引きこもり行動ではなく,「基本的に誰に対しても好ましい愛着を持たない(Lyons-Ruth, Zeanah, Benoit, Madigan, & Mills-Koonce, 2014, p.698) 」と考えられるようになった。無差別な友好性は現在,Disinhibited Social EngagemenTDisorder(DSED:以前はDSM-IVでRAD-disinhibited typeと表記されていた)と表記されている。DSEDがRADの診断から切り離されたのは,無差別的な社会的行動は愛着行動と関連せず(例えば,Chisholm,1998;Rutterら,2007),衝動性や注意の問題とより密接に関連する可能性があることを示す結果が再現されているからである(Bruce,Tarullo,&Gunnar,2009;Pears,Bruce,Fisher,&Kim,2010)。
以下,愛着の障害であるRADを理解するため,まずは愛着について概観する。


1-2.愛着
 ここでは,愛着に関係のある基礎知識的なことをざーっと書き連ねていこうと思います。

1-2-1.愛着周辺の基礎知識
◆愛着(アタッチメント)とは何か
愛着は,本来母子の間に形成される恒常性を持った絆で,社会的な結びつきだけでなく,哺乳類に共有される生物学的な結びつきの仕組みだと考えられている。その根拠は,愛着現象が哺乳類に普遍的に認められる+その生物学的基盤と考えられるオキシトシン・システムをそのまま共有している事実からだ(Music,2001)
ハーロウの実験などから,愛着行動は空腹を満たすだけでなく心地よいスキンシップなど,すなわち快情動も重要な情報だと分かる。エインスワースは「安全基地」という愛着の機能を提唱している。子どもは母親との愛着を安心のよりどころとして探索行動を行い,学習や社会的体験を積んでいく。それゆえ安定した愛着は,子どもの社会性の獲得や学習をバックアップする機能を有していると考えた。
「選択性」も重要。特定の存在に対する選択的で持続的な関係が形成されるのには,臨界期が存在し,人間の場合1歳半を過ぎてしまうと愛着形成が起きにくくなってしまう(福井・岡田,2019,pp7)。
混乱型(無秩序型)の愛着は児童期に入るころから,子どもが養育者をコントロールしようとする「統制型」と呼ばれるタイプが発展してきて(Main & Solomon,1990),一部のケースでは混乱型が長く続き,そういったケースではより情緒や行動の問題が顕著である。
「おそれ型」愛着スタイル(混乱型に相当)には,潜在的な攻撃性の抑圧が存在。特に攻撃性の自己防衛的な側面(攻撃性により自己を守り,他者に働きかける機能=抗議・自己防衛・意思疎通など)が抑圧されている。
「他者への不信感と自尊心の低さからなる内的作業モデル」のために,愛着の撤去を恐れて攻撃性を抑圧することで,関係が危機的になり,自己の防衛が破たんの脅威にさらされると,逆に制御不能な激しい攻撃性を表出するという流れ。

◆愛着と内的作業モデル(Internal Working Models:IWM)
内的作業モデル(IWM)とはボウルビィが提唱した,乳幼児期の親子関係の中で形成される対人表象についてのモデルであり,私は〇〇したら~~してもらえる,××な時は~~ってなるの積み重ねで,単純には対人関係の応答についての基本的なモデルのようなイメージといえる。IWMは「自己モデル(自分は他者から受容される存在かどうか)」「愛着対象モデル(他者からどのような応答が期待できるか,他者は信頼できる存在かどうか)」の2つに分かれている。
形成されたIWMは,感情の経験・表出・抑制のみならず,愛着と関連する情緒的・感情的に重要な情報の処理方法といった事柄にも影響を与える。IWMが選択的フィルタとして働くことにより,自動的にある種の情報に選択的に注意を向け解釈・評価を行い,その結果,注意の拡散を避け,情報処理の効率性や安定性の向上につながっている。
先行研究からは,対人関係に関連した情報の処理は愛着の内的作業モデル,特に“回避”の影響を受けること(島,2010),内的作業モデルにおける回避傾向が高い人は①その表情とは異なるネガティブな情動の存在を認知,②“表情とは一致しない情動がないこと”の認知に時間を要する+真顔や快表情に対しても“ネガティブ情動がないこと”の認知に時間を要する(島他,2012)などが報告されている。また表情のみならず,潜在的親密性回避傾向は愛着に関連する情報処理に対して抑制的に働き,親密性回避が高い場合は①愛着関連の情報への意識的なアクセスが困難になる,②愛着関連ネガティブ語への反応が促進される,といったことが起こりうることが報告されている(藤井他,2015)。

◆愛着と早期不適応スキーマ(EMS)と自伝的記憶の概括化(OGM)
PTSD 者は,無意図的な侵入記憶を経験しやすく,トラウマ関連記憶に対する意図的な検索が困難となって自伝的記憶の概括化 (overgeneral autobiographical memory : OGM)が多くみられる。
幼少期の有害体験は,母親と子どもの断絶・拒絶スキーマの関係を有意に媒介することが確認された。さらに,この関係は,特にネガティブな経験を過剰に想起する傾向が高い子どもにおいて,より強いものであった。小児期のトラウマ体験後の情動調節過程に由来するOGMが早期不適応スキーマ(EMS)の伝達を促進することが示された(Alaftar & Uzer ,2022)。

1-2-2.共感性の発達と愛着
 安定した愛着が,高い感受性や応答性の高い養育によって培われていた場合,その児童の後年の自己制御能力や遂行機能のみならず,心の理論獲得にも関与している(Kochanska,2000)。一方愛着形成の失敗は心の理論の獲得を妨げることでコミュニケーションに支障をきたすだけでなく,攻撃性を抑止することに失敗しやすい状況をもたらす。
 不安定な愛着の子どもは,共感性に欠け,周囲とうまくやれず,周囲からの評価も低い(Sroufe,1998)。
 男性犯罪者対象の研究では,幼いころの母親の世話不足と,非共感的な傾向との間に,有意な相関が認められた。虐待による影響を取り除いた後でも有意な相関は認められている。また母親の世話が不足して共感性の低下が認められる場合には,高い攻撃性を伴っていた(Kimonis et al.,2013)。
共感性には「認知的要素」と「情動的要素」があり,認知的要素には心の理論=メンタライゼーションの機能も含まれる。このメンタライゼーションが乏しいと,衝動性などの傾向がより有害な形で行動化しやすいが,逆にメンタライゼーションが高いと,行動上の問題に抑止的に働くとされている(Taubner et al.,2013)。
多くの知見から,不安定な愛着スタイル並びにそれによって引き起こされる愛着障害は共感の未発達と実説に関連すると考えられる。その背景には,幼少期における養育者からの情動的応答性の不足や共感を持って接してもらった経験の不足が関与していると考えられる。なお,不安定な愛着スタイルのうち,「回避型」愛着スタイルは他者に対する関心や意識の低さが共感の未発達を引き起こしているのに対して,「不安型」愛着スタイルは共感の未発達に直接影響することから,不安定な愛着スタイルが共感の発達に及ぼす影響は,愛着スタイルのタイプによって異なる可能性があると考えられている(福井・岡田,2019)。

1-2-3.攻撃性と愛着
 混乱型(無秩序型)は,回避型と抵抗/両価型の特性が無秩序にみられるタイプで,不安定な養育者からの脅威にさらされ続けた結果と考えられる。また混乱型を示した子供は,後年に共感性の低下や攻撃性の亢進が認められる(福井・岡田,2019)。
 混乱型は,成長とともに統制型を呈しやすいが,反抗挑戦性障害と診断された子供では,不安定型愛着の中でも統制型愛着を示す子供が多かった(Speltz et al.,1995)
 財産犯より暴力犯では,悲惨な虐待の結果生じたと考えられる極めて不安定な愛着スタイルが認められ,他者の気持ちを考慮するということ自体困難であった(Fonagy et al.,1996)。暴力的な犯罪者の方が親との愛着が不安定(Marcus & Gray,1998)。
RADの診断のある里子の攻撃性について,「激怒と呼ばれる極端で長時間の癇癪を起こす」「激怒している間こどもはしばしば落ち着かない」「激怒はRADの子どもによって制御不能と認識されている」「激怒は差別的養育者に向けられる」「激怒のきっかけは環境適応の困難さと関連しているよう」の5カテゴリーが報告された(Vasquez & Miller ,2018)

1-2-4.衝動性と愛着
 愛着が安定した人はコルチゾールのレベルが低く,臨床的にも不安やストレスを感じにくい。一方で混乱型はストレスに対してコルチゾールレベルが過剰に上昇しやすい(Hertsgaard et al.,1995)。
安定した愛着の人では,怒りといったネガティブな情動にとらわれにくいだけでなく,怒りにとらわれた時でもそれをコミュニケーションや相互理解を深める方向に生かす傾向にある/一方で不安定な愛着の人では,怒りは信頼関係を破壊する方向に向かう傾向にある(Cassidy,1994 ; Mikulincer,1998)。不安定愛着者は遂行機能の低下も認められている(福井・岡田,2019)。

1-2-5.犯罪と虐待・愛着 ※虐待→犯罪の因果関係の研究はないことに注意
 愛着の安定性が直接に反社会的な行動の直接因となっているというより,愛着の安定性は反社会的行動の抑制因子として働いていることが示唆されています。そのため,愛着の安定性が欠如した場合には,抑制因子が働かなくなることによって,反社会的行動が出現しやすくなるというメカニズムが提唱されています。必ずしも,被虐待児が犯罪に走るという安易なものではありませんので,そこは注意してほしいところです。
6歳8か月の時点で子どものルールを守らない傾向の主因子となったのは,親が力によって子を支配しようとする傾向であった。しかし1歳3か月の時点で子どもと親の愛着が安定していた場合にはその影響が薄められることが分かった(Kochanska & Kim,2012)。
暴力的な犯罪者や反社会性パーソナリティ障害には,幼児期~青年期に虐待の被害者が多いことが多数の研究から裏付けられている(Cohen,2008)。虐待やネグレクトを受けたケースでは,反社会性パーソナリティ障害の傾向(22歳時点)が有意に認められた(Horwits et al.,2001)。16歳の時点での反社会的行動を左右したのは13歳時点での母親との関係よりも幼児期の虐待であった(Aguilar et al.,2000)。反社会性パーソナリティ障害の傾向と関連があったのは,幼少期の虐待(種別問わず)であり,収入や母親が一人親かとか母親の学歴などは無関係であった。/だが,虐待の有無に関係なく,反社会性パーソナリティリスクに最も影響していたのは「1歳半の時点で母親が自分の世界に引きこもり,子どもに対して無反応」なことであった。また混乱型愛着が8歳で認められる場合は反社会性パーソナリティ障害には転するリスクが高かった(Shi et al.,2012)。
 依存症においては,報酬系を統制する眼窩前頭皮質などの異常が報告されている。眼窩前頭皮質は善悪の判断や道徳観,行動の抑制などの機能を担っている。ドラッグ依存症者は非常に不安定な愛着,特におそれ型愛着を示す割合が高く(Schindler et al.,2005),つまり不安定な愛着は依存症を介して犯罪リスクを増加させる可能性がある(福井・岡田,2019)。
窃盗においては,Follan & Minnis(2010)はボウルビイの“窃盗犯は例外なく親との離別や愛情不足を経験している事実を見出した”という研究結果を見直し,早期の母子分離よりも虐待が原因ではないかと考察している。Grant & Kim(2010)は窃盗癖の擁護背景には,両親どちらからも,愛情深い世話が不足している傾向が顕著で,また母親の保護も乏しい傾向が報告している。
※これらの研究は①愛情不足や虐待により家庭に居場所を獲得できず,②家庭外に居場所を求めた結果,③窃盗が居場所獲得の機能を有した結果定着していった,といった窃盗の機能や他研究のエビデンスベースに考える必要がある。愛情不足→窃盗では,あまりに飛躍が大きい論理である。
 性犯罪において,岡田が医療少年院で経験した10数例の性犯罪のケースでは,親密な関係が苦手で共感性が乏しい回避型のケースが圧倒的に多かった。児童に対する強制わいせつなどのケースでは,自閉症スペクトラム愛着障害が併存しているケースがほとんどであった(福井・岡田,2019)。

2.RADの先行因子や原因・関連要因
2-1.RADのリスク因子
 RADになってしまうリスクは,どのようなものが分かってきてるのでしょうか。RADは,ネグレクトや主たる養育者の度重なる変更,養育環境におけるマルトリートメントの質が重要な要因だとされています。しかし他にはあるのでしょうか。
幼少期に施設での養育を経験した子どもたちは,施設に入所したことのない子どもたちに比べて,12歳の時点でRADとDSEDの徴候がより多く見られた。里親への委託年齢の影響は認められなかったが,経験した養育の中断の回数と,より遅い家庭復帰および施設でのケア比率の高さはそれぞれ,RAD徴候上昇に関連していた。つまり,幼少期の不利な養育環境が愛着障害の兆候に長期的な影響を及ぼすことを示し,質の高い養育介入がRADとDSEDの両方の減少に関連することが示された(Humphreys et al.,2017)。
里親委託中の被虐待児において,教育不足,10代の妊娠,親密なパートナーによる暴力,犯罪歴,抑うつ気分,幼児期の虐待,精神科歴,物質乱用歴などの母親のRADのリスク因子が検討された。これらのリスク因子のうち,母親の精神科歴は,子供のRADのリスクを2.3倍増加させるものであった(Zeanah , Scheeringa, Boris, Heller, Smyke, & Trapani , 2004)。
親の精神病理と子供のRADとの間に強い関連,妊娠中の喫煙は子供のRADと関連,母子家庭と親の高年齢は独立してRADと関連していた。RADの子どもを持つ親に最も多く見られた精神疾患は,アルコールおよび薬物中毒/乱用とうつ病であった(Upadhyaya et al., 2019)。
妊娠中の母親の喫煙は,子どもの皮質灰白質の体積の減少と関連しており(Rivkin et al.,2018),これはRADと重度の虐待歴のある子どもでも観察されている(Shimada et al.,2015)。また妊娠中に大量に喫煙する女性は,胎児への愛着が弱いと報告されており(Magee, Bublitz, Orazine, Brush, Salisbury, Niaura, & Stroud, 2014),動物に関する研究では,出生前のニコチン暴露が脳の報酬系の構造変化を引き起こし,腹側線条体に放出されるドーパミンのレベルを低下させることが示唆されている(Gold, Keller, Perry, 2009 ; Kane, Fu, Matta, & Sharp , 2004)。同様の所見は,母親の喫煙に出生前に暴露された青年において観察されている(Müller et al.,2013)。
腹側線条体の活性化の低下は,RADと診断され,重度の虐待の既往がある子どもでも観察されている(Takiguchi,2015)。
以上によりまとめると,RADのリスク因子としては,重度の虐待,施設養育,母の精神疾患歴(アルコールおよび薬物中毒/乱用とうつ病),妊娠中の喫煙,母子家庭,親の高年齢,あたりになるのかなと思われます。

2-2.RADの神経学的側面
 脳部位との関連も報告されています。脳部位についての説明は以前のエントリでも触れていますのでそちらで。
RADはCC(冠状体)や射影・視床経路の構造変化と関連しており,RAD傾向が自身の情動調節に関与している可能性が示唆。
RADが視覚野の灰白質体積の減少や腹側線条体の機能変化と関連している(Shimada et al.,2015;Takiguchi et al.,2015)。視覚野はIPVなど暴力目撃とも関連のある部位ですが,線条体の体積に対する虐待の潜在的影響は一貫性がありませんが(Teicher & Samson, 2016),重度の虐待との関連なのかもです(Takiguchi,2015)。腹側線条体報酬系とも関与する領域ですので,関連はありそうだなと思いますが。
RAD群における高い金銭的報酬条件の間に,尾状核および側坐核における活性の有意な減少が観察され,両側線条体活動と回避的な愛着の間に有意な負の相関がRAD群とTD群で観察され,RAD群における線条体神経報酬活性は著しく減少していた。つまり,ドーパミン作動性機能障害がRADを有する人の線条体に発生する可能性がありそうとのことです。
脳梁本体(CC),内嚢後縁と放線冠(前,後,上)を含む投射・視床経路のFA値は,TD(定型発達)群に比べRAD群で有意に高いことが判明した。さらに,RAD群はTD群に比べ,CC本体と上記経路のRD値が有意に低かった(Makita, Takiguchi, Naruse, Shimada, Morioka, Fujisawa, & Tomoda, 2020)。いずれにしても,RADは脳の神経学的側面に影響を与えるといっても差し支えないかな?

3.RADは子どもの状態に影響を及ぼすのか
3-1.機能的影響
 RADの子どもはどのような機能的影響を受けているのでしょうか。これまでの研究では主に「報酬系」への影響が言われ続けています。特に1歳前後までに虐待を受けたことが報酬系機能の低下に大きく影響するといわれています(出典失念)。
報酬系への影響:RAD は,他のすべてのグループと比較して,高および低金銭的報酬の条件の両方の間に尾状体,被蓋および視床の活動の減少を示し,報酬感受性の低下を示していた。また被殻の活動はPTSDの重症度や解離と関連していた。このことは,RADはドーパミン作動性機能障害が存在することを示唆している。
その他への影響:RADは,感情,行動,学習困難などの併存疾患のリスク上昇と関連している(Lehmann ,Havik, Havik, & Heiervang, 2013 ; Raaska et al., 2012)。

3-2.行動・情緒的影響(重複あり)
RADの行動・情緒的特徴はやはり,診断基準にもある情緒の抑制の一方で,説明のつかない恐怖・怒りエピソードなどでしょうか。
RADの診断のある里子の攻撃性について,「激怒と呼ばれる極端で長時間の癇癪を起こす」「激怒している間こどもはしばしば落ち着かない」「激怒はRADの子どもによって制御不能と認識されている」「激怒は差別的養育者に向けられる」「激怒のきっかけは環境適応の困難さと関連しているよう」の5カテゴリーが報告された(Vasquez & Miller ,2018)。
情動・行動障害と心理社会的問題の有病率はRADやDSED(脱抑制社会対人関係障害)の青年において一般集団よりも著しく高く,児童虐待やネグレクトにさらされた他の青年における所見と同等であった。うつ病と不安症はRADの青年に最もよく見られる併存障害だが,CD/ODD(行為障害/反抗挑戦性障害)はほぼ同様によく見られ,RADと診断された者の40%に認められた一方,CD/ODDを持つすべての青年のうち,RADの診断を併発しているのはごく少数(14%)に過ぎない。したがって,行為問題とRADはともに虐待やネグレクトと関連し,養育者の行動によって変化しうるが,虐待やネグレクトの既往のある人の行為問題はRADと同等ではなく,そのように解釈すべきではない(Seim, Jozefiak, Wichstrøm, Lydersen & Kayed, 2020)。

3-4.社会的影響
愛着障害児の育児負担:AD(愛着障害)の子どもを持つ親は,ASD自閉スペクトラム症)の子どもを持つ親よりもPSI(育児ストレス)のレベルが高いと報告した。両障害の基準に達した子どもの親は,PSIのレベルが最も高いと報告した(Davies, Glinn, Osborne, & Reed, 2022)。

4.RADは治療可能なのか
 RADの治療は可能なのでしょうか。基本的には認知行動療法的な関わりによって,RAD特有の行動傾向を緩和していく感じなのかなと思います。薬物療法については,薬の効果でRADっ傾向が低減するのでなく,併存障害の緩和によって総合的に状態を改善していく,という感じのようでした。また,積極的な子育てと子どもの情緒に敏感な養育を促進する,ビデオ・フィードバック・ インターベンション(VIPP-SD)というプログラムもあるようでした。VIPP-SDは訓練を受けた介入者によって家庭内で行われ,介入者は養育者へのフィードバックを一貫した愛着に基づいたメッセージにまとめ,子どもの合図やコミュニケーション,養育者の敏感な反応,それが子どもに与えるポジティブな効果に注目させる,という内容のようです。
施設から養子に出された子どもについての研究では,養子縁組後数ヶ月から数年経過した時点でRADの症例はなかった。また里親ケアは,RAD徴候の減少と関連していた。RADは現在施設で生活している子供に多くみられ,子供が施設での養育から離れるとRADの改善が期待できることから,施設での養育をなくすことが優先されるべきである(出典失念)。
Zeanah et al.(2016)によると,幼児に対する最も重要な介入は,感情的に利用可能な愛着者を確実に提供することである。まず,臨床家は養育者を通して,手のかかる子供と積極的に交流する方法を学んだり,養育者が子供の行動を管理したり,必要であれば養育者自身の不安,フラストレーション,怒りの感情に集中的に対処する手助けをしたりすることができる。
RADの症状を持つ,あるいはRAD発症リスクのある児童養護施設の子どもたちにVIPP-SDプログラムを適応させて,子どものRAD症状,愛着の質,感情的/行動的困難に加えて里親は感受性とストレスについて評価を行ったところ,介入を受けた人々は質的インタビューにおいて,スキルの向上や子供との関係の改善などに肯定的な意見を表明していた(Oliveira et al.,2022)。
Zeanah et al.(2016)によると,精神薬理学的介入は,RADまたはDSEDの中核的特徴には不適。しかし,併存する障害──たとえば,関連する不安障害,ADHD気分障害──に対する薬理学的介入は,包括的評価によって継続的な症状および障害が証明された場合に適応となることがある。

5.RAD児童のアセスメントや対応など
ここで改めて事例を提示します。

母より本児の顔を枕で押さえつける,叩く,蹴るといった身体的虐待が繰り返されて一時保護,施設入所となった1歳児童,知的には普通域で発達面に問題は無し。父は,実母へのDVに加えてギャンブルでの多額の借金を作っており,DVにより疲弊した母は仕事をしていないこともあり借金は増える一方であった。
一時保護となった本児は,表情は強張っているが,泣くことはなく,付き添いの児童相談所職員と離れるときもスムーズであった。しかし,徐々におもちゃの取り合いや養育者の取り合いで他児に暴力を振るったり怒鳴りつけたりといった行為を繰り返すようになり,注意を受けると激しく長時間泣き叫ぶかんしゃくを起こすようになった。そういった感情表出の激しさがある一方で,排泄面では不快を訴えることがなかったり,机に頭をぶつけたり他児に叩かれたり痛い思いをしても無表情でやり過ごす傾向が強いなど負の情動表出が抑制されていた。楽しい嬉しい等の表出が全くなく,感情表出は不快時の激しい行動化のみと,感情表出面のアンバランスさが目立っていった。

5-1.本児の状態像のアセスメント
本児の状態像をざっと見ていくと,
・おもちゃの取り合いや養育者の取り合いで他児に暴言暴力を繰り返す
・注意を受けると激しく長時間泣き叫ぶかんしゃくを起こす
・一方で愛着行動(痛いから泣く)のような負の情動表出が抑制されている
こういった点が特徴的だと感じられます。ここら辺が虐待やその他何らかの影響があるのかもしれません。

診断基準を確認すると,
診断基準A:成人の養育者に対して一貫して示される,抑制的で,情緒的にひきこもった行動のパターン「①子どもが苦痛を感じた際に最低限しかないし全く慰め等を求めない,②子どもが苦痛を感じた際の慰めに対してほとんどないし全く反応しない」
診断基準B:持続性の社会的・情緒的混乱「③成人の養育者との,脅威を与えるようなものでないやり取りにおいてでさえ,説明のつかない怒りや恐怖といったネガティブな情動を示すエピソードがある」
の2つに該当しそうです。
という訳で,RADの可能性も検討しながらアセスメントを継続していく必要があるかなと思いました。

本ケースの養育環境としては,
・1歳の時点ですでに母より本児の顔を枕で押さえつける,叩く,蹴るといった身体的虐待が繰り返され
・父が実母へのDV(IPV目撃)
・父がギャンブルでの多額の借金を作る
・母はDVにより疲弊して仕事ができなかった
が挙げられます。

本ケースのRADのリスク因子については以下が考えられました。
幼少期に施設養育経験者は12歳の時点でRADとDSEDの徴候がより多く見られ,家庭復帰までの期間とRAD徴候上昇に関連 (Humphreys et al.,2017)
ただ,養育環境のリスク因子としては虐待でなく母の精神疾患とあり((Zeanah , Scheeringa, Boris, Heller, Smyke, & Trapani , 2004),矛盾があります(施設養育はほぼ虐待あり)。寄与度が違うということなのでしょうかね。いずれにしても,母の精神疾患,虐待歴などはRAD傾向に寄与していると言ってもいいんじゃないかなぁと感じました。
またIPV(親密なパートナーからの暴力)もあったようなので,それによって母の状態像が例えばうつ的になっているとか,そういった情報が調査できればアセスメントを補強できるかなと思いました。

本児がRAD傾向があるとしたら,以下のようなものに注意できればと思います。
RAD群の左一次視覚野で20.6%有意に減少し,RADの視覚的感情調節障害と関連している可能性や,RAD児童の攻撃性の高さ(Vasquez & Miller ,2018),うつ病と不安症の併存(Seim, Jozefiak, Wichstrøm, Lydersen & Kayed, 2020),不安定な愛着の人では,怒りは信頼関係を破壊する方向に向かう傾向(Cassidy,1994 ; Mikulincer,1998),遂行機能の低下(福井・岡田,2019)などが言われています。またCD/ODD(行為障害/反抗挑戦性障害)はRADと診断された者の40%に認められた (Seim, Jozefiak, Wichstrøm, Lydersen & Kayed, 2020)。
現在表出しているものとしては,攻撃性が該当しそうです。今後こう言ったリスクがあるかも,という視点でいいかなと思います。

IPV目撃の影響についても掲載しておきます。
IPV目撃は,子どもの安全な愛着の低下と関連し(Noonan et al., 2020),子どもの社会性と情動の発達を阻害し(Leyton, 2020),内面化行動問題および外面化行動問題の初期レベルが高さ(Yoon et al., 2017),さらに10歳時点での受容語彙力(d=0.26,p=0.009),一般言語力(d=0.23,p=0.047),語用論的言語力(d=0.41,p<0.001)の能力低下と関連していた(Conway et al., 2021)。
IPV単体の影響に限らず,身体的虐待やネグレクトを受けた人よりも,親のDVを目撃し,かつ自分も暴言虐待を受けた人の方が,解離症状をはじめとするトラウマ反応が重篤であった(Teicher et al., 2006 ; Polcari et al., 2014)。また,各パターンの家庭内暴力(すなわち,両親間の暴力を目撃し,親の暴力を経験すること)にさらされると,より高いレベルの心的外傷後ストレス症状(PTSS)が予測される(Haj-Yahia et al., 2019)。母親の抑うつ症状を調整した後も,語用論的言語能力との関係(d=0.32,p=0.006),および受容的語彙能力との関係(d=0.20,p=0.052)の結果が残った(Conway et al., 2021)。つまり言語能力には母の精神疾患による影響に加えてIPV目撃自体が負の影響を及ぼすことが分かります。

また,RADや虐待に関わるCPTSD(複雑性PTSD)という概念があります。不適応行動はこちらで考えていった方が筋が通ることは多いです。
以前のエントリーで書いたので,こちらを参照していただけますと幸いです。

5-2.本児の不適応行動が形成された機序
本児の不適応行動はどのように形成されたのでしょうか。
器質的なものには原因はなさそうですので,やはりマルトリートメントが本児の状態像に大きく寄与していると考えて差し支えないかなと思います。
父から母へのIPV目撃により,愛着や社会性,言語能力に負の影響を及ぼした可能性が考えられ,癇癪や暴言暴力のような外在化行動につながっている可能性もまた考えられます。
臨床的には,暴力的な支配構造の中で緊張状態の続くマルトリートメント環境のため,母もIPV被害により本児への養育に不十分さがあったことで,本児との間に安心安全な愛着関係がはぐくまれず,それが情動調節の困難さ,不適応行動としての外在化行動に繋がっていったと考えることは可能かなと思います。
愛着関係が不十分な中,緊張状態の続く環境においてポジティブな情動を受容される経験の乏しさのために,必要な情動の抑圧と負の情動の行動化に繋がっていき,その結果としてRADとみられる状態像が作られていったと考えることが出来ます。

5-3.本児に将来起こりうるリスクを検討
親の支配傾向や愛着不安定さは,抑制因子が働かなくなることによって,反社会的行動が出現しやすくなるというメカニズムが提唱されています(Kochanska & Kim,2012)。過去の被虐待と反社会性傾向に関連(Aguilar et al.,2000;Horwits et al.,2001),不安定な愛着は依存症を介して犯罪リスクを増加させる可能性(福井・岡田,2019)といった反社会性との関連が報告されていることから,将来的な反社会性などにも注意が必要かなと思います。
その他の影響として,RADは,報酬系のほか,感情,行動,学習困難などの併存疾患のリスク上昇 (Lehmann ,Havik, Havik, & Heiervang, 2013 ; Raaska et al., 2012)などもあるため,心理教育や学習支援といったサポートが必要になってくるかもしれません。
また養育者への影響として,育児ストレスは愛着障害>ASD(Davies, Glinn, Osborne, & Reed, 2022)とあり,養育者へのサポートも必要になると思われます。
つまり総合すると,養育者へのサポートを継続しつつ,学習支援等の一般的なサポートを行いつつ,可能な限り反社会性が行動化しないようにフォローしていくことが必要になる,という感じなのかなぁと思いました。

5-4.所見
以上を総合して,所見としては以下のようなものが考えられました。
母の身体的虐待により措置中の1歳児童。知的には普通域で発達特性も認められないが、情動の抑制傾向と感情調節の困難さというアンバランスな情動表出が特徴的である。
本児は父による暴力的な支配構造の中で緊張状態の続くマルトリートメント環境下で育ち,母もIPV被害により不安定な養育に陥ったことで,両親と本児との間に安心安全な愛着関係が育まれなかった可能性が高い。常時の緊張状態を緩和する関わりの乏しさ、予測困難な被害体験の連続などにより、自我を表明し受容されることを求めずに抑制する傾向や、情動調節の困難さから不適応行動としての外在化行動に繋がっていったと考える。
今後は本児の自我の表明を促す心理教育や生活フォローなどを通して対人不適応リスクの低減を図ることが求められる。

RADのケアというより、RADに特徴的な感情や行動の問題に焦点化してケア、という方向性がよいのでしょうか。
あまり自身がある訳ではないので教えて偉い人。

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