2022-01-01から1年間の記事一覧
0.複雑性PTSDの架空事例A <主訴と経過> Aは2歳以前から両親の暴力が継続していた。顔や腹を殴られたり土下座を強要されたりするなどだけでなく、真冬や真夏の戸外締め出し、食事を与えないといった複数の虐待が確認されている。 Aが6歳になり親族宅にAが…
「親が自殺していたら子どもも自殺しやすいの?」と聞かれました。 感覚的には確かにそんな気はしますし、自殺が身近に感じられたり、自殺の方法を学んでしまったりして、より自殺に至る可能性が上がってしまう、というのは一見無理のない感じがします。 ま…
0.性加害(性的問題行動:Problematic Sexual Behavior:PSB/Sexual Behavior Problems:SBP)の事例 主訴:実父からの身体的虐待で児童養護施設へ入所した7歳男児A。Aが施設内で、年下男児に自身の性器を触らせる、知的に遅れのある同年代女児に衣服を脱…
虐待を受けている児童と接する中で、攻撃性が高い子とか、よく加害をしてしまう子に出会います。 虐待を受けているから攻撃性が高いんだ、と言われがちですが、そんな単純なものではないですし、科学的根拠を無視して言うのであればそれは偏見です。 ただ、…
虐待と脳発達関連で最近色々と話題になりましたが、あの先生の研究が現場や世の中に与えたインパクトが大きかったのは事実です。 僕もあの先生の知見を最初に見たとき、これまでのふわっと主観が強い臨床的な見方に辟易していたフラストレーションが、徐々に…
虐待と脳発達の専門家である某先生の研究不正が話題になりました。 一部「脳に影響が出るからって子どもが保護されたけど嘘だったのか」みたいに言ってる方(児相の介入があった方なのかな)がいらっしゃいましたが、以下に示すだけでも非常に多くの先行研究…
過剰適応(虐待による)0.事例 小学3年生。両親からの暴力で一時保護。全身痣だらけの重症であったが、本児は被害状況を具体的に語ることを拒む傾向が強かった。本児は両親の暴力について「普段は暴力をしません、口で怒るだけなんです」とかばっていた。 …
0.窃盗の事例 主訴:繰り返し窃盗により逮捕された本児(以下:A)(高1)について、その再発防止と心理的援助を目的として心理担当職員が関りを開始 家族構成:A、母、兄、内縁男性 不適応行動について:小学校時代には自室で暴れて壁に穴をあけるといっ…