児童虐待の専門職が 心理学や統計学を語るブログ

心理学や、心理学研究における統計解析の話など

2019-01-01から1年間の記事一覧

項目反応理論と段階反応モデル

項目反応理論(IRT)による分析のモデルの1つに段階反応モデルがあります。 段階反応モデルってなあに? 「はい」「いいえ」のような2値反応ではなく、「はい」「どちらでもない」「いいえ」のような3つ以上の順序尺度的な反応を求められる課題があると…

Paulsmith Collectionのプリントシャツ

ポールスミスと聞いて浮かぶイメージとは、やはり派手な裏地のジャケットやカジュアルに振ったマルチストライプの財布でしょうか。 これはコレクションラインの、いわゆる総柄プリントシャツ。 コレクションラインの良さは、多くはメイド・イン・ジャパンで…

構造方程式モデリング(SEM)の基本的な考え方

構造方程式モデリング(SEM)は、多変量解析と呼ばれる統計手法群の1つですが、この手法の特徴は柔軟なモデル構成力にあります。 ある概念を測定したいと心理検査を構成した際に、その概念の下位にある要素間の関係性や概念に対して要素がどのように影響…

延長因子分析(extention factor analysis)という技法

因子分析には様々な技法があります。 1個人に連続してデータをとって時系列データっぽいものを対象としたp技法因子分析とか、サンプルが集まらない際の苦肉の策として私個人としても用いたことがある技法もあったりしますが、 今回は「延長因子分析(extent…

児童福祉司のつらさは数値化できるか!?福祉司はつらいよモデル

児童虐待対応の仕事、いわゆるケースワーカー(CW)の仕事は日々とても辛いものがあります。 でもどうして辛いんでしょうか。 仕事の内容の激しさももちろんありますが、その他のとてもシンプルな理由に、仕事の多さ、次々と終わらない担当の受理などがあり…

Messerschmitt(メッサーシュミット)の腕時計

男の仕事には、相棒となる左腕が必要だー 我が敬愛する某H先生がなんとなく言ってそうな名言です。 男の左腕ーそう、そこにはエレガントでシンプルな腕時計。 大好きな横浜の大さん橋から徒歩数分、頑張ると1分くらいで到着可能なお店 BLAUBERG an der KÜST…

児童虐待対応の効果を統計的に見てみる-サインズ・オブ・セーフティ・アプローチの有効性検証

児童虐待のニュースが複数取り上げられています。 虐待親の人格、児童相談所の対応のまずさ、色々な指摘があります。その指摘についてのコメントはここでは控えますが、大切なのは児童虐待防止のために今以上に良い方法はないかを、具体的に示していくことだ…

Olde Homesteader(オールドホームステッダー)のアンダーシャツ

部屋着がラグジュアリーだと人生はラグジュアリーに。 自分が敬愛する某H先生がなんとなく言ってそうな名言です。仕事はとても大変で、精神的にとても落ちてしまうことだって人間誰しもありますよね。 でもそんな時にこの服に身を通せばすぐに気持ちがラグジ…

はじめてこのブログをご覧になる方へ

このブログでは、児童虐待関係の仕事をしているブログ主が、心理学とか心理学研究における統計解析の話などをします。 児童虐待領域記事(リンク無しは未発表) A.虐待の影響 1.虐待の影響(全般) 2.内的作業モデル 3.被虐待児の攻撃性 4.敵意帰属バイアス …

内的作業モデル―虐待により傷付いた対人表象のモデル

内的作業モデル(IWM)とは、こういう虐待対応の世界ではよく活用する概念です。ボウルビィが提唱した、乳幼児期の親子関係の中で形成される対人表象についてのモデル。 要は、私は〇〇したら~~してもらえる、××な時は~~ってなる、の積み重ねで、単純に…

因子分析における因子の回転について

心理統計については学部時代に清水和秋先生に学んだこともあり、わりと古典的な手法が好きだったりします。 ↓清水和秋教授のサイト。誰にも媚びない孤高の人物像を体現したサイトである。 http://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~shimizu/chap0.html 古典的な手法…

個人に対する心理療法の効果測定―マルコフ転換モデル―

・個人に対する心理療法の効果測定―マルコフ転換モデル― 心理療法(=介入)前後で指標となる尺度の得点が変化したか、その変化は有意な差を表しているのか、そういうことをt検定で測定する文献をよく見ますが、一定のクライエント数があってこそ。 クライ…